リノール酸は、オメガ6系と呼ばれる不飽和脂肪酸の一種です。また、体内で合成することができないため、食べ物などから摂る必要がある必須脂肪酸の1つでもあります。リノール酸は適量であれば体に良い効果がありますが、摂り過ぎると健康に悪影響を及ぼすことも。今回は、リノール酸の効果や影響と、…… more 正しい摂り方について一緒に学んでいきましょう！   食品としてのリノール酸の効果 食品に含まれるリノール酸には、悪玉コレステロールを減少させたり、血圧を低下させたりする働きがあります。そのため、適量であれば、生活習慣病を予防する効果が期待できます。 また、リノール酸には、体内でアラキドン酸を生成する働きもあります。 アラキドン酸も、リノール酸と同じ必須脂肪酸の1つ。海馬を中心とした脳内に多くある物質で、記憶力や言語能力を高めてくれます。そのため特に、加齢とともに記憶力が低下しがちな高齢者の方や、脳が発達途中である小さなお子さんに有効な成分です。   リノール酸のお肌への効果 リノール酸に関しては、食品としての効果よりも、スキンケアに有効な成分としての働きを知っている方のほうが多いかもしれません。 リノール酸には、肌の角質層から水分が失われることを防ぐ保湿作用があります。また、肌表面をなめらかにしてくれる作用もあり、肌本来が持つバリア機能を高めてくれる効果も。抗炎症作用もあるためニキビなどにもいいとされ、乳液やクリーム、ヘアコンディショナーなどのスキンケアアイテムにも含まれています。 リノール酸といえば、注目したいのが、「リノール酸S」というリノール酸由来の成分です。ベニバナ油を精製して作るリノール酸Sには美白作用があり、「有効美白成分」として厚生労働省の承認も受けているものです。 保湿力があるリノール酸は肌への浸透力が高く、従来は肌表面にできるシミには効果がないとされていました。そこで、リノール酸に酵素処理をすることで表皮にも作用するように改良したのが、リノール酸Sです。 リノール酸Sにはメラニンを発生させるもとになるチロシナーゼを分解する働きがあり、メラニンが作られることを防ぎます。また、すでにできてしまったメラニン色素にも働きかけ、還元する作用も実証されているのです。   リノール酸を多く含む食品 リノール酸は主に、オリーブオイルやベニバナ油、ごま油などの植物油に豊富に含まれています。そのほか、マヨネーズやフレンチドレッシング、ナッツ類、スナック菓子、味噌や豆腐などの大豆製品などにもリノール酸が入っています。 これだけ見ると、リノール酸を含む食品はそれほど多くはないように思えるかもしれませんね。でも実際は、現代人のほとんどが、毎日の食事で1日に必要なリノール酸の摂取量を上回っていると言われています。 リノール酸の不足は、成長阻害や皮膚病を引き起こす原因となることが分かっていますが、不足について言えばそれほど過敏になる必要はないといえるでしょう。   リノール酸を摂り過ぎるとどうなるの？ むしろ注意したいのは、リノール酸の過剰摂取による健康への悪影響のほう！リノール酸は、適量であれば悪玉コレステロールを減少させますが、摂取量が増えすぎると、善玉コレステロールを減少させ、動脈硬化の原因となることがあります。 また、リノール酸を摂取し過ぎると、そこから大量のアラキドン酸が生成され、炎症を引き起こすエイコサノイドを作り出してしまいます。この作用が、アトピー性皮膚炎やアレルギーの原因になっていると言われ、適量であれば有益なアラキドン酸も、増えすぎると体への害になってしまうのです。   正しいリノール酸の摂り方 リノール酸を含むオメガ6系の脂肪酸と一緒に摂りたいのが、EPA（エイコサペンタエン酸）やDHA（ドコサヘキサエン酸）、α-リノレン酸といったオメガ3系の脂肪酸です。オメガ3系はオメガ6系と反対の働きをするため、2つをバランスよく摂取することで、健康を保つことができます。 でも、食生活の欧米化などによって、現代人はこのバランスがリノール酸などのオメガ6系に傾きがちであると言われています。α-リノレン酸はエゴマ油や亜麻仁油などに、EPAやDHAはおもに青魚に含まれます。お肉ばかりのおかずだけではなく、魚も毎日の食事にとり入れるようにしてオメガ3系の脂肪酸を積極的に摂り、2つのバランスを保つようにしましょう！ また、リノール酸は、非常に酸化しやすい成分であることにも注意が必要。 酸化したリノール酸は、発がん性物質へと変化してしまいます。リノール酸が含まれる油を食用油として使う場合は、しっかりと密封して酸化しないように注意し、変色していたり、匂いに変化があったりする場合は、料理に使わないようにしましょう。 また、ポテトチップスなどのスナック菓子は、酸化したリノール酸の宝庫です。好んでよく食べる習慣がある人は、コンビニに行く回数を減らすなどの工夫で、食べ過ぎを防止しましょうね！   参考） リノール酸の多い食品とは｜性差医療情報ネットワーク（NAHW） http://www.nahw.or.jp/blog/2540.html 【医師が監修】美白成分の効果と特徴（4）リノール酸｜スキンケア大学 http://www.skincare-univ.com/article/003927/ 【医師が監修】記憶力アップに有効？アラキドン酸の働きとは｜ヘルスケア大学 http://www.skincare-univ.com/article/014407/ オメガ3脂肪酸の特徴と体内での働き｜ヘルスケア大学 http://www.skincare-univ.com/article/011177/ 植物油に含まれるリノール酸 過剰摂取すると病気の元に-ライブドアニュース http://news.livedoor.com/article/detail/10553530/ 【医師が監修】不飽和脂肪酸の特徴と体内での働き｜ヘルスケア大学 http://www.skincare-univ.com/article/011176/ close

美容や健康にいいリノール酸は、過剰摂取に要注意！